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広告漫画家である私が本当に売りたいものは漫画ではない

160619

私はプロとして、お金を頂いて作品を提供している。

広告漫画家として最善と考える提案をし、制作をする。
絶対に譲れないところは抑えつつ、目の前のクライアントの好みや意見にも対応し、ご満足いただける作品を納品する。

「ありがとう、百万さんに頼んで良かった」
そんな言葉を頂いたりして、仕事は終わる。

けれど本当は違う。
どうでもいいのだ、私の作品なんて。

形式上私は『制作』の対価としてお金を頂いているけれど、本当にお渡ししたいのは『それによって得られる効果』なのだから。

売り上げなのか、集客なのか、ブランディングなのか、目的はそれぞれだが、その制作物を通して達成したい何かを提供できて、初めて私の仕事は意味がある。
逆に言えばそれができなければ、私の作品なんて広告漫画としては無価値だ。

私はいつもそこで葛藤している。

広告は、不確定要素が多いという意味ではバクチである。
お金をかければかけるほどできることは増えるが、使ったお金と比例して効果が得られる保証はない。

過去の集客データだとか、同業他社の実績だとか、検討できる材料はある。
けれど「絶対」はない。
やってみないとわからない。

広告屋は、とても『不安定なもの』を売っているのだ。

とは言えありものではなく手を動かし時間を使って制作している以上、「効果が無ければお代は結構です」などというわけにもいかない。
いかないからこそ、これで良かったのか、他にもっと有効な手があったのではないか、常に葛藤しているのだ。

広告に正解はない。
だからこそ面白いなんて大口を叩くには私はまだ未熟だ。
けれど広告漫画家である私にとって、それは常に考えの中心にある。

「漫画が描けてコミュニケーション能力がある人は、広告漫画家になればいいのに」なんて思っていることは事実だ。
けれどそうやって同業者が増えたとして、私は「漫画が描けてコミュニケーション能力があるだけ」の人に負けるつもりはない。

広告漫画家である私が本当に売りたいものは漫画ではない。
それが広告代理店出身の広告漫画家、百万のプライドである。