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フリーランスが『初回お試し価格』の条件を飲むべきではない理由

160422

あなたが下請け気質で、仕事はもらうものと思っているなら言うことはない。
けれど、その技能の対価としてお金を得ているという自負があるのなら、初回お試し価格は実施するべきではない。
何故なら、それをやることで初取引にして自ら上下関係を作るようなものだからだ。

サービスを提供するフリーランスと、それを受けるクライアントは対等でなくてはならない。
ラーメン屋で、食べる前から「美味いかどうかわからないからお試し価格で食べさせろ」もしくは「食べたラーメンが不味かったから値引きしろ」が通用しないのと、全く同じことである。

しかし何故か私が広告代理店で営業として働いていた頃、それはまかり通っていた。

お客さんの方から「広告出したいんですけどー」とやってくることは無いから、テレアポなどでこちらから売り込みをかける。
企業の広告予算は軒並み下がっており、紙媒体の広告代理店が次々に減っている頃だった為、明らかに売り手側の供給過多だった。

そんな状態だったから、やっとアポを取って話を聞いてもらっても「で、いくらでやってもらえるの?お試しでやらせてもらえるんでしょ?」という話がお客さんから出ることは珍しくなかった。
「最初はタダでやってもらって、反響が良ければ続ける」なんて場合も。

もちろんそうならないようこちらも努力はするが、広告不況という現実の中、上下関係ははじめから確立されているようなものだった。

今は違う。
まだまだ未熟ではあるが、私は私にしか売れないものを売っており、クライアントと「対等であること」を前提として仕事をさせてもらっている。

『お試し価格』という言葉を向こうから使ってきたら、用心しなくてはならない。
こちらを「下請け」と考えている可能性が高いからだ。
駆け出しでまだ実績や自信が無い場合などは、言われるがまま受けてしまうかもしれない。
もちろん考慮の上で納得して受けるならまだいいが、「試してよければ値上げする」というような話が出たとしても、それが実行される可能性はまず無いと思った方がいい。

だいたい初回お試し価格の根拠となる「実力が未知数」「スケジュールを守るかわからない」という言い分もわからなくはないが、それはこちらとて同じだ。
きちんと支払ってもらえるかもわからない。
広告でB to Bだとまず納品後の支払いになるから、その条件をこちらが飲むだけでもすでにクライアント側が有利なシステムなのだから、それ以上譲歩する理由はないのだ。

というわけで、『初回お試し価格』という言葉がクライアント側から出たらよくよく考えて欲しい。
逆に発注しようかと検討しているフリーランスの方から『お試し価格』という言葉が出てきたら…私だったら「サービスに自信が無いのか…?」と思うので、これまたお気をつけて。