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境界を曖昧にしてくるお客さんに気をつける

180409

駆け出しの頃に、こんなことがありました。

とあるビジネスの場で出会った、家族経営の企業さん。
ちょうどイラストが描ける人間を探していたらしく、その場で話が盛り上がってお仕事を頂けることに。

しかし「こんな絵が欲しい」「イラストがあれば他にこんなこともできるかも」という話題はどんどん出るのに、お金の話がなかなか出ないんです。
出した見積もりで一旦は話がついたものの、着手後に「やっぱり予算が厳しい」などと値引きの交渉がありました。

そしてその一方で、「奢るから」と身内の食事に誘ってくるのです。
その席では百万さんは信用できるなどとベタ褒めし、これからもよろしくねと何度も言われ。

…気持ちわるっ!!笑
つまりお金の話はうやむやにしつつ、身内の会食というパーソナルな場に連れ込んで「うちとあなたの仲ですもんね」みたいな馴れ馴れしさを出してくるわけです。

今だったらバッサリ断わるシチュエーションですが、駆け出しの頃は「断ったら失礼」「せっかく仕事をもらったから」という気持ちでつきあったりしてたんですよね。
逆に言えばそんな色々があった上で今の図太さにたどり着いてるので、まあ経験ですよ…。

ちょっと話が逸れましたが、こういう感じで境界を曖昧にしてくるお客さんは、個人的には完全に地雷認定です。
このお客さんの場合はちょっとやり方が極端に昭和っぽいですが、今どきな感じでよく見かけるのは『仲間扱いによる境界線の破壊』ですね。

ちょっとお近づきになったらすぐ仲間。
ご飯食べたらタグづけして仲間最高。
1プロジェクト終わったら仲間のおかげでいいものできた。

…ちげーよ!仲間だからじゃなくて仕事だからやったんだよ!!
人の仕事バカにすんじゃねーよと思います。

私だって相手に「ただのお客さん」以上の感情を持っていることはあります。
でもそれは元々友人だったとか、お互いに力を尽くしてことを成したとか、そういう人間関係の積み重ねの上にあるものです。

一方的に「私たち仲良しだよね?」とすり寄って作るものじゃない。
しかもその目的が境界を曖昧にすることで納期や料金を都合良くコントロールすることにあるなら、それはただの支配です。

ちなみに本当の仲間はお互いに相手に敬意を払い、守るべき境界を守り、対価はきっちり(ときには多めにすら)払いますから。

私は基本的に、お客さんと「お近づき」になる必要はないと思っています。
だって、仕事ですから。
私はお客さんと間にきっちりと境界を引き、節度を持って、プロの仕事をしたいのです。

お客さん=仕事=お金としか見ていない、というわけではないですよ。
私にも思い入れのあるお客さんや、好きなお客さんはいる。
でもだからと言って、お客さんはお友達ではないのです。

境界を曖昧にしてくるお客さんに気をつける。
必ずしも悪気は無くて、相手が良かれと思ってやっている場合もありますが、その距離の詰め方を受け入れるかどうかは自分の気持ちに従っておいた方が楽に働けると思います。