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アナログと、デジタルと、みんなちがって、みんないい。

150818

今個人の方から1件似顔絵の仕事を受けているのですが、最初に描いて欲しい相手の写真と、色紙を渡されました。

アナログの仕事は基本的には承っていないので、どうしても手描きが良ければ描くけれどうまく描けるかわからないし、似てなくても「ちょっとここ直して」ということもできないということをご説明。
最終的にデジタルで描いてデータを納品することになったけど、彼女と話をしてわかったのはそもそもパソコンで仕事をしているとは思っていなかったということ(笑)

私の絵の実力はご存知なので、まあ詳しくはよくわからないけど百万さんなら任せられるよ、というありがたい依頼なんですけどね。

私の場合、商業用の素材としての漫画、イラストを提供することが主な仕事なので、修正・訂正はまず必ずあるものと思ってやる必要があります。
何度でも修正のきくデジタル作業じゃないと、とてもじゃないですが成り立たない。
デジタル環境で仕事をすることは、効率化とかそういうレベルじゃなく、必須なのです。

だからと言って、アナログなんてなくてもいいというわけでもありません。
これには2つの意味があります。

まず自分が描く方の話。
私の作業工程は、漫画もイラストも本制作・仕上げはデジタルですが、実はラフの段階ではアナログなんです。
アイディア出し、ラフ、下描きくらいまでは紙に描いて、その紙をスキャナーでパソコンに読み込んで、それを下絵にして作品を仕上げます。
(ちなみにスキャンした紙はバリバリ捨てます)

これまで試みたことはあるものの、どうしても全行程をデジタルに移植することができなかったんですね。
絵を描くときに使っているPhotoshopも、漫画を描くときに使っているCLIP STUDIOも、決して仕上げ専用ソフトではありません。
鉛筆のような線も再現できるし、ちゃんと下描き用の機能が備わってたりする。
道具の方は完璧です。

けれどどうしても、頭のイメージを形として吐き出す最初のステップは、手描きじゃないとうまくいかないんです。
これは理屈どうこうではなく、ただの「慣れ」の話だと思うのですが…。

あえて訓練して完全デジタルを目指す理由もないので、大学の頃から変わらない道具(UniのB、特製ホルダー、MONO消しゴム)で今も描いております。

そしてもうひとつの理由。
やっぱりいいんですよ、手描きの絵は。
ぬくもりがあるし、世界にひとつだけという特別感がある。

私だってできることなら、友人の子どもへのプレゼントにするというあの絵を、手描きで描いてあげたい。
けれど失敗が恐いし、納得がいくまで何度も描き直すわけにもいかない。

手描きの絵をもらう嬉しさというものも、私はよく知っています。
仕事で使えるところまで昇華できるかは自信がないけど、友人や家族などに心を込めて描くときはせめて自分の手で描けるといいな。