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ご当地キャラは愛で育つ(後編)〜親が愛さない子を誰が愛するか

150911

素材写真提供(Twitterアカウント非公式ひゃくまんさん(@hyakuman_san)にて募集)
右上/Enjoy Kanazawaさん(@EnjoyKanazawa) 
左下/わさびめんたいこさん(@tangotch6913)

(この記事の前編はこちら
同一人物たちによるゆるキャラ増産…。
もしかしたら一般の方だと「髪型も服も持ってる物も違うし、同じって程でもないんじゃない?」と思われる人もいるかもしれません。
けれど絵を描く人間からすれば、これはどう見ても「キャラの使い回し」です。

…が、私が言いたいのはそっちの話ではありません。
これが私の作風だと本人が言うなら、そういうことにしておきましょう。

…いや、できないわ。

明らかに「こういう感じのキャラにこういう要素をくっつければ、ご当地キャラでしょ?ちょろいわ、はいできあがり」と思っているとしか思えない。

けれど本当に言いたいのは、そんな作品に「じゃあこれでいきましょう」ってなる地方自治体、公共団体はやる気あんのかってことなんですよ。

前回書いたとおり、ゆるキャラは一大ブームとなりました。
それに乗ること自体は悪いことじゃない。
ただ、血税使って「とりあえず」でキャラクターを作るくらいなら、そして作ったきりたいして面倒も見ないなら、作るなって話なんです。

当然今ゆるキャラを作れば予算をかけて着ぐるみを作ることになります。
しかし作ったって、ちゃんと時間と手間をかけてPRしなければ、効果はありません。地元の人にすら浸透しない。
適当な地元イベントに出て、適当に子どもと触れ合って、ただそれだけの存在です。

確かに例の方のキャラクターは好みは別として、丸みがあって愛らしいし、ご当地要素もちゃんと入ってるし、マイナスな点はない。
前回書いた「昔のご当地キャラクター」のお手本のような作品です。

プロの作品だから(正確にプロじゃなくても、実力からしてセミプロと呼んでいいレベルですし)線もクリンナップされていて、このまますぐ使えるところも魅力的です。
選考した人たちは、それなりにいいと思うものを選んだつもりでしょう。

でも「それなり」じゃダメなんです。

親としてこれから自分たちが育てていく子どもですよ?
他所の子の誰よりもかわいくて、目立って、愛される子を作らないと意味が無いじゃないですか。

例えその個性が突き出過ぎて、周りに「ありえない」「キモい」とか言われても、親だけは「いや、我が子が一番!」と思って頑張って育てれば、その子はいつかちゃんと育って愛されるようになるんですよ。
ふなっしーだってせんとくんだって、そうやって不動の地位を築いたんです。
それを、他の子を見回して「子どもってこんなもんか」と、周りと似たような子を作ってどうするんですかって話ですよ。

同じデザイナーのキャラが100体もいるのは、他に似たキャラがいないか確認しなかったせいじゃない。
確認したからこそ、100体以上もの無個性キャラが生まれてしまったと思うんです。

『ゆるキャラブーム』の本質を知らず、ただ安易にブームに乗った結果があのキャラクターたちなのです。

「ゆるキャラとは」
「ご当地キャラとは」
「人気が出る為にはどうすればいいか」
「そもそもお金を使ってキャラクターを作ってまでやりたいことがあるのか」
徹底的にリサーチした上で、自分たちの頭で考え抜いてキャラクターを作ることを決めたなら、周りの反応はどうあれ自分たちが『愛せる』キャラクターが生まれるはずなんです。

もちろんそんなところばかりではありません。
今年のゆるキャラブランプリのエントリーを見ていても、魅力的だなと思う子はたくさんいます。
デザイン的にはちょっと…と個人的に感じるのに上位にいる子たちは、親やファンに愛されて頑張っているのでしょう。

でもよくよく眺めると、「とりあえず作ったキャラだしとりあえずエントリーしてみた」というキャラもやっぱりたくさんいるのです。
現に昨年のゆるキャラグランプリの上位に、前回引用したイラストの方のキャラクターは誰ひとり入っていません。(同じ名字の別の方は1キャラ入っていますが、そのキャラに関しては百万の見解では個性が認められます)

親がキャラクターを愛している、ということは、キャラクターを通してファンに必ず伝わります。
ただ「好き」なだけじゃなくて、どんどん「応援しよう」という気持ちになってくる。

ゆるキャラグランプリは最終的に投票によって順位が決まります。
でもそれは結果であって、イベント自体を通して見えてくるのはキャラクターと、親と、ファンの頑張りなのかなと思うわけです。

人気キャラになる為の条件は、たくさんあると思います。
何かふとしたきっかけや、偶然の幸運も必要かもしれません。

しかし1番最初の条件は「作り手に愛されること」ではないでしょうか。

今からでも間に合うかもしれません。
この世に生み出した子たちを愛して下さい。
もしかしたら、人気の為には設定や性格を変えたり、新しいことにチャレンジする必要があるかもしれない。
それでも、世に出した以上は愛して手を尽くすのが親の勤めだと思うのです。

それができないと言うのなら、それこそ税金の無駄遣いです。
来年度は潔く予算から外しましょう。

どうかこれ以上、適当に生まれて適当に使い捨てられるキャラクターが生まれませんように。

ゆるキャラファンの皆さん、今推しているキャラが公式にも愛されているなら、そのことに感謝して引き続き応援頑張っていきましょうね。

そしてゆるキャラとか興味ないけど、この記事を呼んで「へ〜、そうなんだ」と思った皆さん、百万オススメの『ひゃくまんさん』をゴリ推ししておきますね。