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平安時代の武将『木曽義仲』を題材にした漫画が石川県津幡町より刊行〜制作者百万スピーチ全文

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2018年10月22日、石川県の津幡町役場にて『「ぼくらの義仲物語」お披露目贈呈式』が行われました。

津幡町では約10年前から、関連地域と共に平安時代の武将木曽義仲(きそよしなか)とその仲間巴御前(ともえごぜん)らをモチーフにしたNHK大河ドラマの誘致を推進しており、その事業の一環として漫画の制作を立案。
その制作者として、僭越ながら同町出身の私に白羽の矢が立ち、作画はもちろんストーリー提案や冊子の構成から全て担当させていただきました。

完成した漫画冊子はお披露目と同時に、町内の学校や図書館を始めとした施設や、誘致を行なっている連携市町村に贈られたのですが(その後一般配布も検討しているようです)、その式典で制作者として5分ほどスピーチを行いました。

以下、石川に向かう新幹線の中で書き上げたスピーチ原稿を公開しておきます。
私が携わった経緯や制作エピソードなどをお話しさせて頂きました。

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ただ今ご紹介に預かりました、漫画家の百万と申します。
長い期間携わってきたこの『ぼくらの義仲物語』が完成したこと、また今日この式を迎えられたこと、大変うれしく思っています。

まずは少し、私自身のことについて話をさせてください。

紹介にあったように私はこの津幡町出身で、中条南保育園、中条小学校、津幡中学校を卒業、高校・大学までを地元で過ごし、その後漫画家を目指し上京しました。
小学校1年生の頃から自由帳に4コマ漫画を描いて授業中に回すような子どもで、私のことを知る同級生なら皆漫画のイメージを持っているかと思います。
上京後はいろいろありまして、いわゆる漫画雑誌に連載する一般的な漫画家の先生ではなく、現在は広告や出版書籍などを中心に企画提案から制作を行う漫画家としてフリーランスで活動しています。

そのような経歴ですので、もちろん漫画家として誇りを持ってお仕事はさせていただいてますが、一般的な知名度は皆無なので津幡町から今回の話が来たときには本当に驚きました。

お話をいただいたのは一昨年の夏で、実際の漫画制作は昨年の後半から今年3月、今年度に入って資料ページの制作や最終調整を行い、ようやくこの冊子は完成しました。
本編は31ページの読み切り漫画なのですが、他の仕事と同時進行とは言え普通の漫画ならそこまで制作に時間がかかることはありません。
しかし題材が歴史上の人物ということで、まずは資料を読んで知識を得るのに2ヶ月ほど時間をかけました。

もちろん津幡町で育ったものとして、倶利伽羅峠や火牛の計のことは聞いたことがありました。
けれどそれを行なったのがどんな志を持った人物で、どんな生涯を送ったかについては恥ずかしながらほとんど知識がありませんでした。
ただ、古文の授業で義仲の死を描いた平家物語の一節『木曽の最期』を学習したので、なんとなく悲劇の人というイメージがありました。

実際、義仲の生涯が輝かしいものだったとは言いがたいでしょう。
けれど親を殺され見知らぬ地へ逃がされた不遇の幼少時代、挙兵してから京都に入るまでの怒涛の快進撃、そしてその最後のときまで変わることのなかっためのと子たちの絆…どこを切り取ってもヒロイックというか、漫画ならまさに主人公という感じで、とてもかっこいいと思います。
ぜひ大河ドラマにという町の気持ちにも大いに共感できました。

しかしこの義仲の生涯を短編漫画にまとめてしまうのはもったいないとも考えました。
この冊子の目的は、もちろん大河ドラマ誘致のツールとして役立てることではありますが、津幡町の人に彼らのことを知ってもらい、「自分たちの地元で活躍した人物」という愛着のようなものを感じて欲しかった。
そこで義仲や巴たちの物語としてはダイジェストというか美味しいところをハイライトで見せることにして、主人公を津幡の子どもたちにすることを思いつきました。
津幡町からは「義仲と巴の漫画を描いて欲しい」と言われていたので、私の提案を見たときは担当の方はさぞ驚いたことだろうと思いますが、ありがたく受け入れていただきストーリーが完成した次第です。

ちなみに『ぼくらの義仲物語』というタイトルも私の案を採用していただきました。
これも遠い昔の人物というふわっとした存在を、私たちの今と繋げることで、ぜひ義仲を身近に感じて欲しいという思いを込めています。

この冊子は町内の学校や図書館、大河ドラマ化の推進で連携している市町村などに配布を行うということですが、作って配って終わりでは無く、大河ドラマ誘致のため、また義仲の認知度アップのため、ぜひ積極的にご活用いただきたいと思います。
小学生でも読めるよう全てのセリフにフリガナをつけましたが、子ども向け漫画という意識で描いたわけではないので、ぜひ老若男女問わず皆さまにお読みいただきたいです。

最後になりましたが、通常の業務でお忙しい中、本冊子の制作に二人三脚で取り組んでくださった津幡町産業建設部交流経済課の西島さん、吉岡課長を始めとした皆さま、大変お疲れ様でした。
私の無茶振りでご迷惑をおかけしたこともあったと思いますが、おかげで大変良い作品ができたと思います。

本日は「ぼくらの義仲物語」お披露目贈呈式に足をお運びいただき本当にありがとうございます。
引き続き義仲と巴大河ドラマ化、それと津幡町の発展のために力を尽くしたいと思いますのでどうぞよろしくお願い致します。

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式典後に町長と。

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想定していなかったサイン本増産作業。

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漫画の主人公である小学生3人は、なぜか作品刊行前から密かに街のポスターに採用(笑)

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作中にも出てくるIR津幡駅の火牛像と2ショット。

『僕らの義仲物語』は今のところまだ一般の方は入手できないのですが、配布予定はあるみたいなので発表されたらまたお知らせさせて頂きますね。