「せっかく広告漫画を作るなら、商品・サービスの魅力をたくさん詰め込みたい!」
そんなふうに考える企業担当者さんは少なくありません。
しかし、その“伝えたいことを全部詰め込もうとする”ことが、漫画をわかりにくくしてしまう原因になることがあります。

実は漫画は、「わかりやすい」反面、「たくさん伝える」にはあまり向かない媒体です。

今回は、なぜそうなるのか、そして情報を整理しながら上手に伝えるためにはどうすればよいか、そのコツを紹介します。

漫画の強みは、難しいこと・言いづらいこともわかりやすく伝えられること

広告漫画の最大の魅力は、何といっても「わかりやすさ」です。
複雑な仕組みや専門用語、感情のこもったメッセージなども、絵と吹き出しでできた漫画なら自然に読者の中に入っていきます。
人物の表情や会話を通して伝えられるため、読む人にストレスを与えず、共感を生みやすいのが特徴とも言えるでしょう。

「知って欲しい」「共感してもらいたい」――そんな内容こそ、漫画の得意分野と言えるでしょう。

漫画の弱点は、文章に比べ同じページ数で伝えられる情報が少ないこと

ただし、漫画には明確な弱点もあります。
それは、説明的な内容になればなるほど、文章に比べ伝えられる情報量が少なくなるということです。
文章ならA4の1ページで説明できる内容も、漫画で表現しようとすると10ページ以上になることも。

文章と違い、絵があるのですから当然と言えば当然です。
さらにコマの中に入るセリフやナレーションには限界があり、説明を増やせば増やすほど、漫画が“読むのに疲れる資料”になってしまうのです。

「全部伝えたい」と思うほど、結果的に読者が何も覚えていない漫画になる――広告漫画でありがちなパラドックスと言えるでしょう。

解決策はポイントを「絞る」こと

では、どうすればよいのでしょうか?
答えはシンプルです。
思い切ってポイントを絞ること。

広告漫画は、情報をすべて並べる場所ではなく、最も伝えたいことを印象づける場所です。
読者に「なるほど」「おもしろい」「自分に関係ある」と思ってもらえるポイントを絞ることが大切です。

伝える内容を整理し、中心となるメッセージを決めてから構成を考える。
それだけで、漫画の印象は驚くほど強く、伝わりやすくなります。

伝えたいことが複数ある場合の対応策①:連載形式にする

それでも、やっぱり商品・サービスの魅力を余すところなく伝えたい!
そんな場合の解決法も紹介しておきましょう。

まず、漫画の力を活かしつつ多くのことを伝えたい場合は、「連載形式」が有効です。
テーマごとに話を分け、複数回の連載形式にすることで、1話ごとに“ひとつのメッセージ”をしっかり届けることができます。

連載にすれば、読者との継続的な接点を作ることもでき、一石二鳥です。

全体デザインやタイトルを作り込むことで連載としてのクオリティもアップ!

伝えたいことが複数ある場合の対応策②:デザインで補う

もうひとつの方法は、デザインとレイアウトでカバーすること。
すべてを漫画で語る必要はない、ということです。

例えば漫画でストーリーの導入を描き、そのあとに解説や図表を配置して、要点を整理する。
そして最後に再び漫画で「まとめ」や「導入後の未来」を見せる。

このように、漫画と文章・デザインを組み合わせることで、
「感情的な理解」と「理性的な理解」を両立させることができます。

まとめ:伝わる形に整えるのが広告漫画の仕事

広告漫画だと、情報が減ってしまうのか…とがっかりさせてしまったなら申し訳ありません。
しかし減らすというよりは、「伝わる形に整える」のがその本質だと考えています。

伝えたいことが多いときこそ、どの部分を漫画にして、どの部分を文章やデザインで補うか━
その整理こそが、プロの腕の見せどころです。

百漫画では、構成の段階から「どこを漫画で」「どこを文章で」伝えるかを一緒に整理し、読む人にとって一番伝わりやすい形に仕上げます。
また、デザインと漫画を同時にご提案することを得意としておりますので、トータルで「伝わる」制作をおこうなうことが可能です。

ぜひお気軽にご相談くださいませ。