現状、生成AIによるイラストなどを広告や広報物に使うことには、まだ様々なリスクやデメリットがあります。
クライアントの皆さまはそれを理解しているからこそ、お金と時間をかけてクリエイターに制作を依頼してくださるわけで、大変ありがたいことです。

その一方で、クリエイターに制作意図を伝えたり、ラフの指示のために生成AIを使うことにためらいがある方は、そう多くないと思います。
当方でも、今年に入ってから、生成AIで出力した画像を使ってのご指示やご相談が増えてきました。

「具体的なイメージを添えた方が、助かるだろう」
「生成AI画像をベースに進めた方が、時短になってスムーズだろう」
という、お心遣いでやってくださっている場合がほとんどであることは承知しております。

その上で、百漫画では、ご相談時やご指示の際に生成AIイラストを提示することは、極力お控えくださいますようお願いいたします。

理由は、2つあります。

理由1 生成AI画像からは、「本当に必要としているもの」が見えづらい

生成AIは、とにかく「それっぽいもの」を出すのが得意です。
ふわっとした指示でも、細部まで描き込まれた完成形が出てくるため、指示した方は「そうそう、これが欲しかった!」と感じます。

しかし本当に大切なのは、その「これが欲しかった」の「これ」が、一体何だったのかということです。
・絵柄なのか
・構図や情報量なのか
・ 親しみやすさなどの雰囲気なのか
生成AI画像はクオリティ高く、かつ満遍なくそれらを網羅していることが多いので、それ単体では何を伝えたかったのかが非常にわかりづらいのです。

できれば生成された画像ではなく、どのようにこれを描かせたのかという「指示文(プロンプト)」の方をお聞かせいただきたいくらいですが、制作意図が言語化できていない場合の元の指示はふわっとしているわけですから、結局その画像を元にヒアリングをして、一緒に探っていくことになります。

私の場合、どんな案件もその言語化を最初に行いますので、情報量が多い生成AI画像が出てきてしまった場合はノイズを払うところからになり、少々厄介だと感じます。

理由2 生成AI画像があるとそこがスタート地点になり、提案が制限される

例えば、
・親しみやすい雰囲気を重視したい
・専門的な機械を、わかりやすく伝えたい
・困っている人物とそれに気がついてない人を対比させたい
といった余白のある要求であれば、クリエイターはそれを咀嚼し、実力と経験をもとに様々な方向性を検討できます。

しかし、最初にほぼ完成形のような生成AI画像を出されると、そこが発想のスタート地点になってしまいます。
「参考程度に」と言われることも多いですが、その画像がその時点のクライアントにとっての『正解』を含んでいるからこそ提示されたことを踏まえると、そうならざるを得ないのです。

特に私の場合、提案型の広告漫画家としてやらせていただいておりますので、想像と提案の余地を狭められることに窮屈さを感じてしまいます。

まずは、提案をさせてください

以上の理由から、百漫画では生成AI画像を使ってのご指示につきましては、極力お控えいただけると幸いです。
また、参考資料としてご用意いただいた場合も、まずは制作意図や背景を伺ったうえで、より伝わりやすく、また読者の印象に残る表現方法を別途提案する場合がございます。

その上で、「やっぱり元の生成AIの方がよかった」とお客様側で判断された場合は、私も負けを認めて生成AI画像をベースに制作することになりますが…無念。

企画から描く、百漫画。
提案から任せられる制作屋を探している方にお声がけいただけますと幸いです。