右綴じと左綴じ

 ご存知のように、日本語の文章には縦書きと横書きがあります。
 どちらで書くべきかは、その文章の用途によって変わってきます。例えば小説の文庫本なら縦書きでしょうし、WEBなら横書きがほとんどのはずです。

 この文章の向きを決定づける媒体の向きは、印刷用語で横書きの方が「左綴(と)じ」(左開き)、縦書きの方が「右綴じ」(右開き)と呼ばれています。

参考URL↓

スタンダードな右綴じの漫画

 漫画の場合はどうでしょう?

 私たちが普段読み慣れている一般的な漫画は、ほとんどが縦書きの右綴じ(右開き)です。
 文字は右から左へ、コマは右上から左下へと読むことになります。

 しかし横書きの文字で構成される冊子やパンフレット、WEBサイトに漫画を掲載する際など、横書きで左上から右下へと読んでいく左綴じ(左開き)の漫画を利用した方がよい場合もあります。

左綴じの漫画制作にはコツがいる?

 横書きの漫画はピンと来ないかも知れませんが、元々文字が英語で横書きのアメコミなどを思い浮かべるとイメージしやすいですね。

 一般的な漫画家さんは、この左綴じタイプの漫画を描くことに慣れていません。描いたことがない人も結構いらっしゃると思います。
 基本的には右綴じタイプのコマ割りの考え方を左綴じに置き換えて応用すればいいのですが、やはり描き慣れていないとなかなか難しいです。

 また既存の右綴じタイプの漫画は、読む方も慣れているので多少無理なコマ割りやセリフの配置でも読んでもらえるのですが、これが左綴じになるときちんと視線の動線を考えてコマやセリフを配置しないと読み手が読みづらさを感じてしまったり、読めない場合が出てくるので制作の際は注意が必要です。

目的達成のための漫画作りを

しかし今お話ししたことは基本的な考え方ではありますが、必ずしも
 「縦書きの媒体」=「右綴じタイプの漫画」
 「横書きの媒体」=「左綴じタイプの漫画」
にしなくてはいけないというわけではありませんし、そうじゃない方がよい場合もあります。

漫画の効果が発揮されるような紙面・画面作りを考え制作を行いましょう!