日本で一番歴史の長い盆栽雑誌の挑戦
1970年、大阪万博の年に産声を上げた、盆栽と共に暮らす生活を提案する盆栽専門誌『盆栽世界』。
現編集長の四宮さんには以前から「ビギナー向けの趣味本・専門誌は漫画連載があってこそ」という思いがあったものの、盆栽が好きで、樹の種類もある程度描き分けができる漫画家となるとなかなかいるものではなく。
同誌の執筆協力者でもある盆栽家の山崎ちえさんが盆栽漫画家を自称する百万と出会い、四宮さんに紹介したのはそんなときでした。
四宮さんはやっと巡り会えたと感無量だったそうで。
初めてお会いして話したその日のうちに、連載をスタートすることが決まりました。
幅広い雑誌読者に読まれるストーリーとは?
雑誌編集には長く携わってきた四宮さんですが、漫画に関しては素人なので内容は全面的にお任せしたいと言われ、0からの状態で企画がスタート。
検討した結果、盆栽初心者である私自身を主人公にした日常エッセイ形式にすることにしました。
タイトルは『そうして今日も水をやる 盆栽漫画家のゆるゆる盆栽生活』。
初心者エッセイ漫画であれば、私と同じ盆栽初心者の方にはあるあるネタや苦労に共感していただき、ベテランの方々からは「初心者はしょうがないなあ」と温かく見守っていただくことができます。
実際私は夫と共に盆栽をやっているのですが、夫婦だと軸がぶれそうだと考え夫は登場させないことに。
ただテンポよく読ませるために「相方」的な存在は必要と考え、エッセイ漫画でありながら架空のキャラクターであるぶた子に登場してもらうことにしました。
盆栽愛ゆえにWEB公開も担当
初心者からベテランまで楽しく読める盆栽エッセイ漫画ですが、さらに盆栽に触れたことのない方には「盆栽ってそうなんだ!」と知らない世界を楽しんでいただくことができる作品でもあります。
ですが、当然ながら雑誌の読者はすでに盆栽をやっている人たち。
私は四宮さんに盆栽世界の宣伝と、漫画によって多くの人に盆栽のことを知ってもらうために、『そうして今日も水をやる』をWEB上で無料公開することを提案しました。
ただし盆栽世界は現状オンラインでの展開が十分にできていないため、盆栽を趣味として個人的に楽しむだけでなく、盆栽の魅力を伝えたい、愛好家を増やしたい、という気持ちがある私自身がその役目を請け負うことに。
提案はご快諾いただき、現在こちらのページで一部無料公開を行なっております。
読者からの声
読者から届くハガキやFAXでの声は「読者と同じくらいの目線がよい」「いつもあるあると思いながら読んでます」「誌面が明るくなった」などなど、良好な様子。
業界的にも、取材先(盆栽園やベテラン愛好家)でも「長年やっている人間は見落としてしまうような視点で盆栽を見ていておもしろいし、参考にもなる」という声をしばしば耳にするそうです。
四宮さんからは「今後も盆栽の腕は上がっても、ビギナーの無垢な眼差しは失わないようにして描き続けて欲しい」というありがたい難題もとい期待に応えて、連載を続けていきたいと思います。
制作物詳細 | 雑誌『盆栽世界』連載エッセイ漫画 『そうして今日も水をやる』 A4変形/フルカラー/4ページ |
制作時期 | 2018年11月〜(継続中) |
クライアント | エスプレスメディア出版株式会社 様 |
『そうして今日も水をやる』実績紹介はこちら
http://hyakumanga.com/work/mizuyaru/