私はよく「漫画広告」と「広告漫画」は違う、という話をします。
ここでいう漫画広告とは、それまで文章で伝えていたようなことを、コマ割りや吹き出しという漫画の手法を使ってキャラクターに代弁させるような、「漫画風の広告」のこと。
それに対し広告漫画は、「広告を題材にした漫画作品」だと考えています。
こちらももちろん漫画ですから前述の手法は使われるわけですが、では漫画広告とは何が違うのか。
私は、読んだ人の「感情」を動かす要素が漫画を漫画たらしめると考えています。
漫画風にするだけでも伝わりやすくなることはありますし、普通の広告より「読んでみようかな」と興味を引くことはできるかもしれません。
しかし広告の説明文を読んで「へーなるほど」と思うことはあっても、喜怒哀楽を感じることはあまりありません。
それに対し漫画は、ストーリーで、生きたキャラクターで、演出で、感情を揺さぶることができます。
読んだあと、より印象に残るのはそんな感情を与えられた漫画作品の方だと考え、百漫画では広告漫画の制作を行なっております。
とは言え通常の漫画と違い、広告漫画では多くの場合ページ数にかなり制限があり、そこに広告として入れたい要素も多くあります。
その中でいかに伝えるべきことを伝えつつ、漫画として印象に残るものにするかというバランスが、広告漫画家の腕の見せ所かなと思っております。
広告漫画を依頼するときは、広告物としてのチェックは当然お客様の大切なお仕事ですが、一読者の目線でその作品が読み物としておもしろいかどうかもぜひご覧いただければと思います。